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体重を落とすために「ケトジェニックダイエット」を試したことがある方、あるいは検討している方も多いのではないでしょうか。
この食事法は、高脂肪かつ炭水化物をほぼ含まないことから、体重管理や血糖値コントロールに役立つとして人気を集めています。
ユタ大学の研究チームがマウスを用いて行った実験では、ケトン食は体重増加を抑えた一方で、時間の経過とともに血糖値やインスリン値に変化が現れることが示されました。
この記事を読んでわかること
- ケトン食を与えられたマウスでは、体重の増加は抑えられた
- 血糖値の異常や、インスリン分泌の低下が確認された
- 食事を見直すことで、改善する可能性も示された
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
「ケトン食」は、てんかん治療の分野で使われてきた医学的な名称。「ケトジェニックダイエット」は同じ食事法を指す一般的な呼び方で、主に減量目的の文脈で広く使われている。
食後に血糖値が正常な範囲に戻りにくくなる状態。糖尿病の前段階として注目される指標のひとつ。
公開日:2025年9月19日
掲載誌:Science Advances
論文:「 A long-term ketogenic diet causes hyperlipidemia, liver dysfunction, and glucose intolerance from impaired insulin secretion in mice 」

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
ケトン食を長期間続けると、体にはどのような影響があるのか
ケトン食は、炭水化物をほとんど摂らず、脂質を主なエネルギー源とする食事法で、摂取を続けることで、体が「ケトーシス」という状態になると言われています。
この食事法は、血糖値とインスリン濃度を低く保つ効果があるとされ、肥満治療への応用も進められてきました。
しかし、マウスを用いた過去の研究では、研究結果が一貫しておらず、体重減少効果にばかり注目が集まり、血糖値やインスリン値を対象にした長期間の研究は、ほとんどありませんでした。
そこで研究チームは、マウスにケトン食・低脂肪食・高脂肪食(炭水化物も含む)を与えて、長期間の比較実験を行うことで、体重だけでなく血糖値・インスリン値・肝臓・膵臓への影響を総合的に検証しました。
体重は抑えられても、血糖値とインスリン値には変化が起きていた
ケトン食を与えられたマウスは、高脂肪食(炭水化物を含む)を与えられたマウスと比べて、体重の増加が明確に抑えられましたが、インスリンの分泌不足により、時間の経過とともに「耐糖能異常(たいとうのういじょう)」が確認されました。
また、別の食事条件を用いた検証でも同様の異常がみられており、これらの原因はケトン体そのものではなく、極端な食事バランス(高脂肪・低炭水化物)にある可能性が示唆されています。
しかし、ケトン食を長期間続けたマウスの食事内容を、低脂肪食に切り替えると、4週間後には耐糖能異常の改善がみられました。
さらに、ケトン食を与えられたマウスでは、血糖値の異常だけでなく、血液中の中性脂肪なども増加が確認されました。
特に雄のマウスでは、高脂肪食(炭水化物を含む)を与えられたマウスと同程度まで、脂肪肝や肝機能の低下が進んでいました。
ただし、この結果はマウスでの実験であり、ヒトでも同様の結果になるとは限りません。
体重を抑える効果があっても、安全に試せるとは限らない
今回の研究では、ケトン食によって体重増加は抑えられた一方で、血糖値の異常やインスリン分泌の低下が確認されました。
また、この影響は、一度起きたら元に戻らないものではなく、食事を見直すことで改善する可能性が示されています。
しかし、「高脂肪かつ炭水化物をほぼ含まない食事法」というイメージだけで、ケトジェニックダイエットを自己判断で始めるのではなく、医師や専門家に相談しながら判断することが大切です。
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※本記事は、国際的な学術誌『Science Advances』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
対象:Jackson Laboratory由来マウス(雄 / 雌)
対象数:予防効果の検証(雄169匹・雌60匹)
投与期間:雄は最長36週間・雌は最長44週間
比較した食事内容(P/F/C):低脂肪食(通常のたんぱく質量)20%/10%/70%・低脂肪食(ケトン食と同量のたんぱく質)10%/10%/80%・高脂肪食20%/60%/20%・ケトン食10%/89.9%/0.1%
体重増加の抑制効果:雄は高脂肪食54g・ケトン食43g / 雌は高脂肪食60g・ケトン食35g
血中脂質(対高脂肪食):中性脂肪1.7倍 / 遊離脂肪酸1.8~2.75倍
脂肪肝:雄は高脂肪食と同程度 / 雌はなし
ALT値(肝機能):雄は低脂肪食の4.5倍 / 雌は低脂肪食と差なし
耐糖能異常の出現:雄11週目・雌31週目(雄は33週目以降さらに悪化)
インスリン分泌の欠陥の出現:雄(投与4~8週間後) / 雌(15週目以降)
遺伝子発現の変化数:ケトン食対低脂肪食(1666遺伝子) / 高脂肪食対低脂肪食(242遺伝子)
関連する遺伝子:増加(Creb3l3) / 低下(Rab8b・Rab30・Rab39)
研究機関:ユタ大学
資金提供元:米国国立加齢研究所(NIA) / 米国国立糖尿病消化器腎臓病研究所(NIDDK) / 米国国立心肺血液研究所(NHLBI) / 米国国立がん研究所(NCI) / Damon Runyon-Rachleff Innovation Award / アメリカがん協会(American Cancer Society)
利益相反:著者らは利益相反がないことを申告しています






