炭水化物とは?公的基準に基づく「糖質の分類」と「グリコーゲン貯蔵メカニズム」の解説

お茶碗に盛られた白米、一斤からスライスされた食パン、生のサツマイモ(カットされた断面)のフラットイメージ

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生命活動を維持するためのエネルギー源である「炭水化物」は、日々の身体活動や脳の機能を正常に保つために不可欠な生体物質です。
本記事は、国や公的機関(厚生労働省など)が提示する厳格なデータに基づき、炭水化物の定義、糖質の分類、および体内におけるグリコーゲン貯蔵メカニズムを整理したものです。

  • 公的機関の基準に基づく「脂質の定義と摂取目標量」
  • 医学的根拠に基づく「脂肪酸の分類」
  • 人体の中で起こっている「糖質の消化・吸収とグリコーゲン貯蔵メカニズム」

※本記事は公的機関のデータや科学的エビデンスの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。診断や治療については必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。

炭水化物とは、炭素と水素からなる有機化合物です。
厚生労働省などの公的機関において、脂質・たんぱく質と並び、生命活動の源となる「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」の一つとして定義されています。
炭水化物は、消化酵素で分解できてエネルギー源となる「糖質」と、消化吸収されずに生理作用をもたらす「食物繊維」の2つから構成されています。

炭水化物の摂取目標量

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、炭水化物は1日の総エネルギーの「50%以上65%未満」に収めることが目標とされています。

  • グラム数の指定なし(※)

※厚生労働省の指針において、炭水化物は単体で具体的なグラム数が指定されているわけではなく、全体のエネルギーからたんぱく質と脂質を差し引いた「残りのバランス調整」としてパーセンテージのみが定義されています。
個人の年齢や体重、性別、身体活動量によって、必要なグラム数は大きく変動します。
※エネルギー換算係数:1gあたり4kcal  

脳におけるブドウ糖利用

成人の脳は約1.2~1.4kgで、体重(約60kgの場合)の約2%に相当しますが、全身の総エネルギーの約20%を常に消費し続けています。
臨床研究などの客観的データでは、脳は原則として血液中のブドウ糖(グルコース)のみをエネルギー源として利用する特性を持っており、その消費量は成人で1日あたり約120gに達するという事実が示されています。

炭水化物の構成成分の一つである「糖質」は、最小単位である単糖の個数によって、大きく3つのカテゴリーに分類されます。

単糖類

これ以上加水分解されない糖質の最小単位です。
小腸からそのままの形で吸収される特徴を持ちます。

細胞の主要なエネルギー源となる単糖です。
血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを「血糖値」と呼びます。

果物やハチミツに多く含まれ、単糖類の中で最も甘味が強い性質を持ちます。

乳糖(ラクトース)を構成する成分です。

二糖類

単糖類が2個結合した構造を持つ糖質です。
体内の消化酵素によって単糖に分解されてから吸収されます。

砂糖の主成分であり、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が結合したものです。

哺乳類の母乳やミルクに含まれ、グルコース(ブドウ糖)とガラクトースが結合したものです。

グルコースが2個結合したもので、デンプンが分解される過程で生じます。

多糖類

多数の単糖類が結合した高分子の糖質です。
分子構造が複雑なため、消化・吸収が比較的穏やかに進行する性質を持ちます。

穀物やイモ類の主成分で、植物が光合成によって作り出し、根や種子に貯蔵する多糖類です。

動物が体内に取り込んだブドウ糖を一時的に貯蔵するために、肝臓や筋肉で合成される多糖類です。

食事から摂取された炭水化物は、エネルギー源となる「糖質」と、消化吸収されない「食物繊維」でそれぞれ異なるルートをたどり、体内で活用・処理されます。

消化と吸収

糖質の消化・吸収メカニズムの解説図

糖質は、口腔内から小腸に至るまでの消化管において、以下のステップで消化・吸収されます。

唾液に含まれる消化酵素「唾液アミラーゼ」により、多糖類はまず大きな塊から徐々に分解されます。
その後、十二指腸で膵液に含まれる「膵アミラーゼ」と混ざり合い、二糖類であるマルトースなどにまで分解されます。

小腸粘膜の細胞に存在する二糖類水解酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)の働きにより、最終的に「グルコース(ブドウ糖)」などの単糖類にまで分解されます。

最小単位となったグルコースは、小腸粘膜の細胞にある専用の輸送体(SGLT-1やGLUT-2)を介して吸収され、門脈(太い血管)を経由して速やかに肝臓へと運ばれます。

グリコーゲン貯蔵メカニズム

グリコーゲン貯蔵メカニズムの解説図

血管内に入ったグルコース(ブドウ糖)は、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」の分泌によって、肝臓や筋肉組織に格納されます。

食後にグルコースが血液中に流入して血糖値が上昇すると、膵臓の感知システム(ランゲルハンス島ベータ細胞)によって、血中にインスリンを分泌します。

インスリンが筋肉細胞などの表面にあるインスリン受容体に結合すると、細胞内部から「GLUT4(糖輸送体4型)」と呼ばれる移動式のゲートが細胞膜表面へと浮上します。
このゲートを通って、グルコースが細胞内へと取り込まれます。

細胞内に取り込まれたグルコース(ブドウ糖)は、グリコーゲン合成酵素(グリコーゲンシンターゼ)の働きによって結合され、高分子の「グリコーゲン」へと形を変えて貯蔵されます。

  • 肝グリコーゲン:肝臓に貯蔵され、空腹時に再びグルコースに分解されて「血糖値を維持する」ために全身へ放出されます。
  • 筋グリコーゲン:骨格筋(筋肉)に貯蔵され、「筋肉自体が運動するためのエネルギー源」として直接消費されます。他組織へは放出されません。

過剰糖質の脂肪合成

過剰糖質の脂肪合成メカニズムの解説図

肝臓や筋肉に貯蔵できるグリコーゲンの量には上限があります。
身体活動量に対して過剰な糖質を摂取し、このグリコーゲンタンクが満杯になった場合、使い切れず血液中にあふれたグルコースは、インスリンの働きによって肝臓や脂肪組織で「中性脂肪(トリグリセリド)」へと合成され、体脂肪として蓄積されます。

食物繊維

炭水化物における「食物繊維」の生理作用の解説図

炭水化物のもう一つの構成成分である「食物繊維」は、消化酵素では分解されません。
そのため、エネルギー源(グルコース)にはならず、小腸で吸収されないまま大腸へと運ばれます。
大腸に到達した食物繊維は、腸内細菌によって発酵分解され、一部は脂肪酸として体内に吸収されたり、便の体積を増やして腸管を刺激するなどの生理作用をもたらします。

  • 炭水化物は、エネルギー源となる「糖質」と、消化吸収されない「食物繊維」の2つから構成されている。
  • 炭水化物の摂取目標量は、1日の総エネルギーの「50%以上65%未満」に収めることが目標とされている。
  • 糖質は、単糖の個数によって「単糖類・二糖類・多糖類」のカテゴリーに分類される。
  • 食物繊維は、大腸へと運ばれた後に、脂肪酸として体内に吸収されたり、便の体積を増やして腸管を刺激するなどの生理作用をもたらす。
  • 炭水化物はアミラーゼなどの酵素によってブドウ糖に分解されて小腸から吸収され、インスリンの働きにより肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵される。

※本記事は、厚生労働省などの公的機関および、専門学会が策定した各種ガイドラインに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。

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執筆者・運営責任者

SHO|鍼灸師

豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
24歳で全国グループの鍼灸整骨院にて責任者・エリア統括を歴任し、27歳で海外へ。
現在は、13年の臨床経験と海外で培ったグローバルな知見をもとに、世界最前線の情報を精査し、Synclyeeで発信しています。

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