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年齢を重ねるにつれて、肌のハリが失われたり、関節に違和感を覚えたりする方は少なくないのではないでしょうか。
こうした変化には、コラーゲンというタンパク質が深く関わっていると言われています。
今回の研究では、コラーゲンの摂取が、肌の弾力性や水分量、関節の痛みの軽減と関連することが分かりました。
この記事を読んでわかること
- コラーゲンの摂取により、肌の弾力性や水分量が大きく改善した可能性
- 変形性関節症では、痛みやこわばりが、日常生活で実感できるほど軽減する場合がある
- 一方、口腔の健康や代謝への効果は、今回の研究でははっきりしなかった
※本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
皮膚や骨、腱などを構成するタンパク質の一種です。
関節にある軟骨がすり減ることで、痛みや動かしにくさが生じる病気です。加齢とともに起こりやすくなります。
体重のうち、脂肪を除いた部分の重さのことです。筋肉や骨、内臓なども含まれます。
見た目や味は本物と同じでも、実際には効果のある成分を含まない偽の製品のことです。比較のための対照群として使われます。
掲載誌:Aesthetic Surgery Journal Open Forum
論文:「 Collagen Supplementation for Skin and Musculoskeletal Health: An Umbrella Review of Meta-Analyses on Elasticity, Hydration, and Structural Outcomes 」
背景:未検証だった「コラーゲン摂取」による健康効果
コラーゲンをサプリメントとして摂る人は年々増えており、世界的な市場規模は2021年時点でおよそ19億9000万ドルと推定されています。
コラーゲンサプリがこれほど広く使われるようになった背景の一部には、加齢に伴うコラーゲンの減少があります。
コラーゲンは、皮膚や骨などを支えるタンパク質で、年齢とともに合成が減り、分解が進むことで、体内の量が少しずつ失われていきます。
特に女性は、閉経後の最初の5年間で、肌のコラーゲンのおよそ30%を失うとされています。
こうした変化は、肌のハリの低下や、関節の痛み、筋力の低下などにつながる可能性があるとされています。
コラーゲン補給の健康効果を調べた研究は、これまでにも数多く発表されてきました。
しかし、それぞれ肌や筋肉、関節など別々の分野で行われており、これらをまとめて評価する試みはありませんでした。
そこで研究チームは、これまでに発表された16件の論文を統合し、コラーゲン補給が健康にどのような影響を及ぼすのかを検証しました。
調査方法:「コラーゲン摂取」と「プラセボ」の効果検証
- 対象研究:コラーゲン摂取に関する研究
- 調査期間:2025年3月6日までに発表された研究
- 調査文献:PubMed / Embase / Scopus / Web of Science
- 対象分野:筋肉 / 口腔 / 代謝 / 関節 / 肌
比較内容
- コラーゲンを摂取したグループ
- 摂取しなかったグループ (プラセボまたは何も摂取しない)
今回の研究では、573件の候補から内容を確認した32件を経て、最終的に16件(比較試験113件 / 参加者7983人)が採用されました。
採用された16件の研究の質は、決められた基準に沿って複数の担当者がチェックしました。
また、それぞれの結果の信頼性も、国際的な基準に沿って「非常に低い」「低い」「中程度」「高い」の4段階で評価されました。
結果:コラーゲン摂取による「体組織」への影響
肌
- 弾力性:大きく改善
- 水分量:大きく改善
- きめ(なめらかさ):明確な変化は見られなかった
弾力性については20件の研究、水分量については19件の研究のデータがあり、いずれも信頼性の高い結果です。
関節(変形性関節症)
- 痛み:明確に改善
- こわばり:明確に改善
- 動きやすさ:一部の指標では明確な変化は見られなかった
痛みについては25件の研究データがあり、信頼性の高い結果です。
また、痛みとこわばりを含めた症状全体を1つの指標としてまとめて評価した場合も、18件の研究データがあり、こちらも信頼性の高い結果です。
筋肉
- 除脂肪量:中程度の増加
- 筋肉の構造:改善
- 最大筋力:わずかに向上
- 腱の形態:改善する傾向
- 腱の性質:硬さなどには、明確な変化は見られなかった
- 運動後の筋力回復や筋肉痛:明確な変化は見られなかった
最大筋力の向上は11件の研究による信頼性の高い結果です。
一方、腱の形態の改善は4件の研究のみによるもので、現時点での信頼性は高くありません。
口腔・代謝
口腔の健康については、歯茎の厚みにわずかな変化が見られた以外、目立った効果は確認されませんでした。
代謝に関する項目についても、体組成の一部にはわずかな改善が見られたものの、血糖値やコレステロールなどには明確な効果は確認されませんでした。
口腔や代謝への効果は、現時点でははっきりしていません。
考察:研究結果の解釈と限界点
この結果から言えること
- 関節の症状は、複数の指標で一貫して軽減しており、日常生活で実感できるほどの改善である可能性がある
- 肌への効果は、摂取を続けるうちに積み重なっていく変化で、即効性のあるケアというより土台になる働きと考えられる
- 代謝への効果は、直接ではなく体組成の変化を通じた間接的なものと考えられる
- 筋肉への効果は、運動直後の回復ではなく、時間をかけて表れる構造的な変化と考えられる
- 口腔については、確かな効果は確認されなかった
この結果だけでは言えないこと
- 採用されたレビューの多くは研究としての質が高くなく、ここで示した効果の大きさは今後変わる可能性がある
- 長期的な影響は調べられておらず、今回の改善が入院や治療の減少につながるかは分からない
- 紫外線や喫煙、睡眠といった生活習慣の影響は考慮されておらず、人によって効果に差が出るかは分からない
- 年齢や閉経状態による違いは検討されておらず、こうした要因が効果に関わるかは分からない
- コラーゲンの原料や摂取形態による違いは調べられておらず、どんな製品が適しているかは分からない
総括:「コラーゲンの健康効果」への新たな知見
コラーゲン補給の健康効果については、これまでも数多くの研究が発表されてきました。
しかし、肌や筋肉、関節など、分野ごとに個別に検証されるにとどまり、これらを1つにまとめて評価する試みはありませんでした。
今回の研究は、そうした個別の研究を統合し、コラーゲン補給が肌・筋肉・関節に対して、一貫して恩恵をもたらすことを示しました。
ただし、その恩恵はすべての領域に等しく及ぶわけではなく、長期的な健康への影響までは、今回の研究では確認されていません。
コラーゲンは、かつては美容目的の商品として扱われることが多い存在でした。
しかし、効果を裏付ける仕組みの妥当性、安全性の高さ、研究結果の一貫性が積み重なってきたことを踏まえると、今回の研究は、コラーゲンが加齢に伴う体の変化に対して、有力な選択肢になり得ることを示しました。
また、効果の多くが摂取を続けることで徐々に積み重なっていく性質を持つことから、今後は、継続的な摂取を前提とした長期的な検証が期待されます。
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※本記事は、国際的な学術誌『Aesthetic Surgery Journal Open Forum』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
資金提供
資金提供元:本研究は、資金提供を受けていません。
利益相反:著者らは利益相反がないことを申告しています。





