
※この記事は 約3分 で読めます。
年齢を重ねるにつれて、肌のハリが失われたり、関節に違和感を覚えたりする方は少なくないのではないでしょうか。
このような変化には、コラーゲンというタンパク質が深く関わっていると言われています。
国際共同研究チームによる調査では、コラーゲンの摂取が、肌の弾力性や水分量、関節の痛みの軽減と関連することが分かりました。
この記事を読んでわかること
- コラーゲンの摂取により、肌の弾力性や水分量に改善が確認された
- 関節の痛みやこわばりが、日常生活で実感できるほど軽減する場合があった
- 研究の質や長期的な影響には、まだ課題が残る
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
皮膚や骨、腱などを構成するタンパク質の一種です。
関節にある軟骨がすり減ることで、痛みや腫れ、こわばりなどが起きる病気です。加齢とともに起こりやすくなると言われています。
公開日:2026年1月30日
掲載誌:Aesthetic Surgery Journal Open Forum
論文:「 Collagen Supplementation for Skin and Musculoskeletal Health: An Umbrella Review of Meta-Analyses on Elasticity, Hydration, and Structural Outcomes 」

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
コラーゲンをサプリメントとして摂取することに、意味はあるのか
コラーゲンは、皮膚や骨などを支えるタンパク質で、年齢とともに合成が減り、分解が進むことで、体内の量が少しずつ失われていきます。
そのため、肌のハリの低下や、関節の痛み、筋力の低下などにつながる可能性があるとされています。
このような加齢による変化を補う目的で、コラーゲンをサプリメントとして摂取する人が増えていますが、これまでの研究は肌や筋肉、関節など別々の分野で個別に行われており、まとめて評価する試みはありませんでした。
そこで研究チームは、これまでに発表された16件のメタ分析を統合し、肌や関節、筋肉だけでなく、口腔や代謝への影響も含めて、コラーゲン摂取が健康に及ぼす影響を幅広く検証しました。
コラーゲン摂取で改善が見られたのは、主に肌と関節の症状だった
総合分析の結果、コラーゲンを摂取すると、肌と関節に最も改善が見られることが確認されました。
肌では弾力性と水分量が大きく改善して、関節(変形性関節症)では痛みとこわばりが軽減しており、どちらも信頼性の高い結果でした。
同様の傾向は筋肉にも見られ、最大筋力のわずかな向上などが確認されたものの、その根拠は肌や関節ほど強くありませんでした。
一方で、口腔や代謝には、そのような変化は確認されませんでした。
これらの結果の多くは、研究としての質が担保されていないレビューも含めて評価されたものであり、今後より質の高い研究が積み重なれば、実際の効果の大きさは変わってくる可能性があります。
また、生活習慣や年齢、ホルモンバランス、製品の品質による影響は考慮されておらず、長期的な健康への影響は確認されていません。
肌や関節に効果が見えても、コラーゲンが万能というわけではない
今回の統合分析では、肌と関節の改善において、コラーゲンサプリはより信頼性の高い結果を得ることができました。
過去には「飲んでも胃で分解されるから意味がない」と言われていましたが、一定の「科学的根拠(エビデンス)」が確認できたと言えます。
しかし、筋肉や口腔、代謝ではまだ根拠が十分とは言えず、研究の質や長期的な影響にはまだ課題が残っています。
また、多くの臨床研究が「コラーゲン製造メーカーからの資金提供」を受けて行われているケースがあり、データに偏り(バイアス)がある可能性は無視できません。
そのため、治療効果を求めた「医薬品」ではなく、あくまで食事から摂りにくいコラーゲン成分を、効率よく体へ補給するための「補助食品」という位置づけにとどまります。
▼ 関連知識 ▼
皮膚の構造とは?公的基準に基づく「表皮の4階層」と「生体防御システム」の解説
表皮の4つの階層構造、肌の生体防御システムである「バリア機能」と「ターンオーバー」を公的基準に基づき解説。日本皮膚科学会や厚生労働省のデータに基づく、皮膚管理のための基礎知識です。
海外論文の検索方法|一次情報へアクセスする4ステップ
SNSに真偽の定かでない健康情報が溢れる現代。海外の一次情報(論文)にアクセスし、その信頼性を見極める4ステップを解説します。流れてくる情報を待つのではなく、翻訳機能やデータベースの活用法を学び、自ら読み解くスキルを身につけましょう。
※本記事は、国際的な学術誌『Aesthetic Surgery Journal Open Forum』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
対象研究:コラーゲン摂取に関するメタ分析
検索対象データベース:PubMed / Embase / Scopus / Web of Science
検索対象期間:2025年3月6日までに発表された研究
評価対象分野:肌 / 関節 / 筋肉 / 口腔 / 代謝
比較内容:コラーゲンを摂取したグループと、摂取しなかったグループ(プラセボまたは無摂取)
選定プロセス:候補573件→内容確認32件→採用16件(比較試験113件、参加者7983人)
研究の質評価:採用された16件について、複数の担当者が基準に沿って評価
結果の信頼性評価:国際的な基準(GRADE)に沿って「非常に低い」「低い」「中程度」「高い」の4段階で評価
各指標のデータ数:肌の弾力性20件 / 水分量19件 / 関節の痛み25件 / 症状全体(痛み+こわばり)18件 / 筋力向上11件 / 腱の形態4件
研究機関:国際共同研究(英国 / モザンビーク / エクアドル / フランス / イタリア / トルコ / 韓国)
資金提供元:本研究は資金提供を受けていません
利益相反:著者らは利益相反がないことを申告しています






