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年齢を重ねるにつれて、友人や家族と過ごす時間が減ったと感じることはないでしょうか。
これまでも、人間関係が豊かな人ほど、心身の状態が良い傾向にあると言われてきました。
コーネル大学等の研究では、人間関係が豊かな人ほど、DNAから読み取れる「老化のスピード」が緩やかで、体内の炎症も少ない傾向にあることが確認されました。
この記事を読んでわかること
- 人間関係が豊かな人ほど、老化の進み方が緩やかな可能性がある
- 体内の炎症も、人間関係が豊かな人ほど少ない傾向が見られた
- 人間関係が老化を遅らせるとは言い切れない
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
公開日:2025年9月3日
掲載誌:Brain, Behavior, & Immunity – Health
論文:「 Cumulative social advantage is associated with slower epigenetic aging and lower systemic inflammation 」

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
人間関係と健康の関係とは。DNAの数値が示す新たな手がかり
身近な人との関わりが少ないと、慢性的なストレスにつながりやすいとされ、老化や体内の炎症に影響する可能性があると考えられています。
近年では、DNAの状態から、老化のスピードや炎症の強さを数値として読み取る方法が開発されてきました。
しかし、これまでの「人間関係と健康に関する研究」の多くは、本人が感じる気分や体調といった主観的な評価にとどまっており、客観的な数値との関連はほとんど調べられていませんでした。
そこで研究チームは、アメリカの成人を対象に、DNAなどから数値を算出し、人間関係の豊かさが老化や炎症に与える影響について調べました。
老化のスピードに関わっているのは、生活習慣や遺伝だけではないかもしれない
人間関係の豊かさを「親子関係の質」「地域社会とのつながり」「家族や友人からの心の支え」「信仰による心の支え」という4つの指標として数値化したところ、これらの数値が高い人ほど、DNAから読み取れる老化のスピードが緩やかな傾向が確認されました。
炎症についても、これらの数値が高い人ほど値が低い傾向がみられましたが、老化とは異なり、複数ある炎症関連物質のうち、特定の物質に強く表れる形でした。
つまり、炎症との関連は、老化ほど確実なものとは言い切れません。
一方、尿検査で測ったストレスホルモンとは、明確な関連は見られませんでした。
つまり、人間関係の豊かさとの関連がみられたのは、老化や炎症の数値に限られていました。
ただし、この調査は対象者を1回だけ比較したもので、同じ人を追跡調査したものではありません。
そのため、人間関係の豊かさが老化を遅らせている可能性もあれば、老化が緩やかな人の方が周囲との関係を築きやすいという可能性も考えられ、この結果だけではどちらとも判断できません。
人間関係が豊かでも、それだけで老化が防げるとは限らない
今回の研究では、人間関係が豊かな人ほど、DNAから読み取れる「老化のスピード」が緩やかで、炎症の数値も低い傾向が確認されました。
これまでは、老化というと、食事や運動、遺伝といった内部要因で語られていました。
人間関係を築けば老化が防げるということではありませんが、周囲との関わりという外部要因も影響している可能性があると言えそうです。
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※本記事は、国際的な学術誌『Brain, Behavior, & Immunity – Health』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
対象:MIDUS(アメリカの成人を長期追跡する調査)の参加者のうち、バイオマーカーデータのある2117人
データ収集時期:2004〜2005年(MIDUS-Ⅱ) / 2011〜2014年(MIDUS Refresher)
参加者の内訳:女性55%・白人約75%・平均年齢55.07歳
背景条件:年齢・性別・人種(民族)・教育・世帯収入・調査時期
老化の指標:DNAのメチル化から算出する7種類のクロック(Horvath / Horvath2 / Hannum / PhenoAge / GrimAge / GrimAge2 / DunedinPACE)
炎症の指標:血清中の8種類のバイオマーカー(IL-6(ELISA法・MSD法) / IL-8 / IL-10 / CRP / TNF-α / E-セレクチン / ICAM-1)
ストレスホルモンの指標:尿検査による5種類のホルモン(コルチゾール / コルチゾン / ノルエピネフリン / エピネフリン / ドーパミン)
研究機関:コーネル大学 / ワイル・コーネル医科大学 / ストーニーブルック大学 / ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院
資金提供元:ジョン・D・アンド・キャサリン・T・マッカーサー財団、米国国立老化研究所(NIA)
利益相反:著者らは利益相反がないことを申告しています。





