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毎日何気なく口にしているコーヒーや紅茶が、実は将来の記憶力とも関係しているとしたら、気になる方も多いのではないでしょうか。
ハーバード大学の研究では、カフェイン入りのコーヒーや紅茶を摂取している人は、認知症と診断される割合が低い傾向にあることが示されました。
この記事を読んでわかること
- カフェイン入りのコーヒーや紅茶を飲む人は、認知症と診断される割合が低い傾向があった
- 関連が最も強くみられたのは、1日2~3杯程度の適度な摂取量
- コーヒーや紅茶を飲むことで、認知症を予防できると証明されたものではない
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれる成分。覚醒作用があることで知られていますが、今回の研究では、脳の健康との関わりの面でも注目されています。
コーヒーや紅茶をはじめ、多くの植物性食品に含まれる成分の総称です。抗酸化作用を持つとされ、体を酸化ストレスから守る働きが注目されています。
記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出るようになった状態を指します。加齢に伴って発症リスクが高まることが知られています。

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
コーヒーや紅茶に含まれる「カフェイン」が、将来の記憶力に関わっているかもしれない
認知症は、ある日突然始まるものではなく、本人が「もの忘れが増えた」と自覚する段階から始まり、やがて臨床的に認知症と診断される段階へと進んでいきます。
治療の選択肢が限られていることから、発症前の予防が重要な課題となっています。
こうした中、日々の食事に含まれる成分は、自分で調整できる要因の一つとして注目を集めてきました。
コーヒーには、カフェインやポリフェノールといった生理活性のある成分が含まれており、これらが体内の酸化ストレスや炎症を和らげることで、脳を守る方向に働く可能性があると考えられています。
これまでにも、コーヒーやカフェインの摂取と脳の健康との関係を調べた研究はいくつも行われてきましたが、追跡期間が短いものが多く、カフェインの有無を区別して調べた研究もほとんどありませんでした。
そこで研究チームは、看護師や医療従事者を対象に、最長43年間にわたって蓄積された2つの追跡調査のデータを組み合わせ、「カフェイン入りコーヒー・カフェインレスコーヒー・紅茶」の摂取と、認知症の発症・本人の自覚症状・検査で測定される認知機能との関連を調べました。
カフェイン入りのコーヒーや紅茶を飲む人は、認知症と診断されることが少なかった
調査の結果、カフェイン入りのコーヒーや紅茶を飲む人は、認知症と診断される割合が低くなっていました。
一方で、カフェインの入っていないコーヒーには、このような関連は見られませんでした。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインの総摂取量で見ても同じ傾向が確認されており、カフェインそのものが関わっている可能性が高いといえます。
摂取量については、多ければ多いほど良いという単純な関係ではありませんでした。
今回の調査で最も多く飲んでいたグループでも、1日あたり女性で4.5杯程度、男性で2.5杯程度にとどまっており、それ以上多く飲んでも、明確な差は確認できませんでした。
その中でも、1日あたり2~3杯程度のカフェイン入りコーヒー、または1~2杯程度の紅茶を飲んでいる場合に、認知症と診断される割合が最も低くなっていました。
ただし、これは日々の習慣を観察した研究であり、コーヒーや紅茶の摂取量を意図的に変えて比較した実験ではないため、飲むことで認知症を予防できると証明されたわけではありません。
また、対象も看護師や医療従事者が中心であるため、誰にでも同じ関連が当てはまるとは限りません。
何気なく飲むコーヒーや紅茶が、将来の記憶力を考える手がかりになる
今回の調査によると、毎日飲むカフェイン入りのコーヒーや紅茶の習慣は、将来認知症と診断される割合の低さと関連していたことが示されました。
これまでも、コーヒーや日々の食事に含まれるカフェインの摂取と、脳の健康との関係は調べられてきました。
そこにカフェインレスという比較対象を加えたことで、コーヒーや紅茶そのものというより、そこに含まれる「カフェイン」という成分が関わっている可能性が見えてきました。
毎日何気なく口にしているコーヒーや紅茶に含まれる成分が、将来の記憶力とも関わっている可能性は、今後さらに注目していく価値のある手がかりといえるでしょう。
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海外論文の検索方法|一次情報へアクセスする4ステップ
SNSに真偽の定かでない健康情報が溢れる現代。海外の一次情報(論文)にアクセスし、その信頼性を見極める4ステップを解説します。流れてくる情報を待つのではなく、翻訳機能やデータベースの活用法を学び、自ら読み解くスキルを身につけましょう。
※本記事は、国際的な学術誌『JAMA』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
対象:Nurses’ Health Study(女性 / 1976年開始)とHealth Professionals Follow-up Study(男性 / 1986年開始)のデータを統合
登録時年齢:女性30〜55歳/男性40〜75歳
解析人数:女性86,606人・男性45,215人(合計131,821人)
解析期間:女性1980〜2023年・男性1986〜2023年(最長43年間)
認知症の新規発症:11,033件
除外基準:登録時にがん・パーキンソン病・認知症のいずれかがあった人、極端に高い/低いエネルギー摂取を報告していた人
摂取量調査:カフェイン入りコーヒー・カフェインレスコーヒー・紅茶について、食事質問票で2〜4年ごとに調査。カフェイン総摂取量は炭酸飲料やチョコレートなども含めて算出
認知症の判定:死亡記録および医師による診断
主観的認知機能の測定:6〜7項目の質問(はい/いいえ)でスコア化(0〜7点)、3点以上を該当とする
客観的認知機能の測定:女性のうち70歳超の17,139人に電話で記憶力・認知機能検査を実施(男性は未実施)
解析方法:基本的要因のみ調整した場合と、生活習慣・食事の質・持病なども含め幅広く調整した場合の2通りと、年齢・喫煙状況・体格による違いも確認
研究機関:ハーバード大学T.H. Chan School of Public Health / Brigham and Women’s Hospital
資金提供元:米国国立衛生研究所(NIH)
利益相反:著者の一人(Hu氏)がAnalysis Group社から研究支援を受けたことを開示





