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「時間制限食を始めたけど、お腹が空いて続けられない」と感じた経験はありませんか?
食事を摂る時間を決める「時間制限食」は、アンチエイジングやダイエット、体調管理などの食事法として知られている一方で、空腹に耐えられず挫折する人もいると言われています。
ジョンズ・ホプキンス大学などの研究では、食事のカロリーを同じにすると、「時間制限食」と「通常食」では、空腹の感じ方やホルモンの数値に違いが見られなかったことから、食事量の減少が空腹に関係していると示唆されています。
この記事を読んでわかること
- 18時以降に食事を摂らない「時間制限食」でも、空腹の感じ方やホルモンの数値に違いは見られなかった
- 時間制限食に伴う「空腹」には、食事量の減少が関係している可能性がある
- 肥満を伴う糖尿病予備群の成人を対象にした研究なので、誰でも同じ結果になるとは限らない
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
1日のうち食事を摂る時間帯を、毎日一定の時間内に決める食事法です。食べる量や内容の制限を伴わないのが特徴で、時間帯は12時間未満に設定されます。
(例:8:00-19:00の間に、1日の食事を終わらせる)
血糖値が正常より高いものの、糖尿病の診断基準には達していない状態の人を指します。日本糖尿病学会の基準では、「境界型」(空腹時血糖110~125 mg/dLまたは75 gのブドウ糖を飲んだ2時間後の血糖140~199 mg/dL)と分類されます。米国糖尿病学会の基準では、HbA1c(過去1~2か月の平均的な血糖の状態を反映する血液検査の値)が5.7~6.4%、空腹時血糖が100~125 mg/dL、75 gのブドウ糖を飲んだ2時間後の血糖が140~199 mg/dLのいずれかに当てはまる場合を指します。
主に胃から分泌されるホルモンで、食欲を高める働きがあります。血液中の濃度は空腹時に最も高く、食事をすると速やかに下がるため、「空腹のサイン」として働くと考えられています。
公開日:2026年7月27日
掲載誌:Obesity
論文:「 Time-Restricted Eating on Appetite and Inflammation in Adults With Obesity and Prediabetes: A Randomized Feeding Study 」

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
食事の時間帯を比較すると、空腹感に違いはあるのか
時間制限食は、食べる量や食事の内容に決まりがない一方で、食事の時間が限られるため、食事量が自然に減りやすいと言われています。
また、食事を摂らない時間が長くなることで、空腹を感じている場合もあれば、単純に食事量が減少することで、空腹を感じている場合もあります。
このように、時間制限食による「空腹」には、さまざまな要因が考えられます。
そこで研究チームは、肥満を伴う糖尿病予備群の成人を対象に、18時以降は食事を摂らない「時間制限食」と24時まで自由に食事を摂れる「通常食」を、同じカロリーの食事で12週間比較し、空腹の感じ方やホルモンの数値、体重の変化を調べました。
食事のカロリーを同じにすることで、「空腹の正体」を読み解く
空腹を「感覚」と「数値」の指標を用いて比較した結果、本人によるアンケートの答えでは、「空腹を感じやすい」という項目に明確な差は見られませんでした。
また、血液検査では、どちらの食べ方でも、空腹に関わるホルモン「グレリン」の数値に変化は確認されませんでした。
つまり、食事のカロリーが同じであれば、空腹感に違いが確認されなかったことから、時間制限食に伴う「空腹」には、食事量の減少が関係している可能性があります。
さらに、体重はどちらの食べ方でも減少する傾向が見られました。
ただし、この結果は、食事のカロリーを同じにして比較した実験によるものなので、日常生活のように、食べる量を自由に決められる場合にも、同じ結果になるとは限りません。
時間制限食に伴う「空腹」は、食事量が関係しているかもしれない
今回の研究では、食事のカロリーを同じにしたところ、18時以降に食べない「時間制限食」と24時まで食べる「通常食」では、空腹感に違いは確認されませんでした。
つまり、時間制限食に伴う「空腹」は、食事を摂らない時間帯が増えることではなく、食事量が減少することによって引き起こされている可能性があります。
また、今回の結果は、「時間制限食」で空腹を感じた際に、1日の総摂取カロリーを見直すきっかけになるでしょう。
▼ 関連知識 ▼
海外論文の検索方法|一次情報へアクセスする4ステップ
SNSに真偽の定かでない健康情報が溢れる現代。海外の一次情報(論文)にアクセスし、その信頼性を見極める4ステップを解説します。流れてくる情報を待つのではなく、翻訳機能やデータベースの活用法を学び、自ら読み解くスキルを身につけましょう。
※本記事は、国際的な学術誌『Obesity』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
期間:12週間(開始前に1週間の慣らし期間)
対象者:肥満(BMI 30〜50)があり、糖尿病予備群(HbA1c 5.7〜6.4%)または薬を使わない糖尿病(HbA1c 6.5〜6.9%)の成人 / 平均60歳 / 平均BMI 35.2
人数:アンケートの解析39人(時間制限食19人 / 通常食20人)(女性92% / 黒人92%) / 血液検査の解析38人(時間制限食18人 / 通常食20人)
除外条件:睡眠障害 / 精神疾患 / 物質使用障害 / 血糖降下薬・減量薬の使用 / 肥満手術の既往 / 過去1年に10時間以内で食べる習慣や断食があった人
実施場所:ジョンズ・ホプキンス大学 ProHealth臨床研究施設(米国ボルチモア)
研究デザイン:無作為化・同カロリー摂食試験(追加解析)
時間制限食(朝8時〜18時):朝40%(8〜10時) / 昼40%(10〜13時) / 夕15%(13〜18時) / 間食5%(8〜18時)
通常食(朝8時〜24時):朝20%(8〜10時) / 昼25%(10〜13時) / 夕50%(17〜20時) / 間食5%(16〜24時)
食事内容:全食を研究側が調理して提供 / 両群で同じ栄養配分(タンパク質15〜18% / 炭水化物45〜50% / 脂質32〜37%) / DASH食をもとに糖質を減らして、不飽和脂肪酸を増やした内容
カロリー設定:開始時の体格と活動量から個人ごとに設定
時間の遵守率:時間制限食88% / 通常食85%
アンケート:51問(Three-Factor Eating Questionnaire) / 「食べる量を意識して控える」21問 / 「食べ始めると止まらなくなる」16問 / 「空腹を感じやすい」14問 / 開始時と12週目に実施
血液検査:グレリン(空腹時 / ブドウ糖75 g / 摂取後30・60・90・120分) / レプチン・アディポネクチン・CRP・コルチゾール・sRAGE(空腹時のみ) / 開始時と12週目に実施
測定手法:グレリン・レプチン・アディポネクチンは放射免疫測定法 / CRP・コルチゾール・sRAGEは酵素免疫測定法
体重の減少率:時間制限食 平均2.67% / 通常食 平均2.53%
グレリン:どちらの食べ方でも変化なし
レプチン:どちらの食べ方でも低下
アディポネクチン:全体と通常食で低下 / 時間制限食では明確な変化なし
炎症などの血液の指標(CRP / コルチゾール / sRAGE):どちらの食べ方でも変化なし
研究機関:ジョンズ・ホプキンス大学医学部(米国) / 米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所 / ラトガース大学ロバート・ウッド・ジョンソン医学部(米国) / メリーランド大学医学部(米国)
資金提供元:米国心臓協会 / 米国国立衛生研究所 / Resolve to Save Lives
利益相反:肥満治療薬メーカー(Rhythm Pharmaceuticals / Eli Lilly and Company / Novo Nordisk)





