たんぱく質とは?公的基準に基づく「アミノ酸の分類」と「体内合成メカニズム」の解説

生の赤身肉、生卵(殻付きと中身)、生の鶏胸肉のフラットイメージ

※この記事は 約5分 で読めます。

生命活動に欠かせない「たんぱく質」は、筋肉や臓器、皮膚などを構成する重要な成分の一つです。
本記事は、国や公的機関(厚生労働省など)が提示する厳格なデータに基づき、たんぱく質の定義、アミノ酸の分類、および体内における合成メカニズムを整理したものです。

  • 公的機関の基準に基づく「たんぱく質の定義と摂取推奨量」
  • 医学的な根拠に基づく「アミノ酸の分類」
  • 人体の中で起こっている「たんぱく質の消化・吸収と再合成メカニズム」

※本記事は公的機関のデータや科学的エビデンスの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。診断や治療については必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。

たんぱく質(プロテイン)とは、多数のアミノ酸が結合してできた高分子有機化合物です。
厚生労働省などの公的機関において、脂質・炭水化物と並び、生命活動の源となる「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」の一つとして定義されています。
人体を構成する成分のうち、水分(約60%)の次に多く、体重の約15~20%を占める重要な生体物質です。

たんぱく質の摂取推奨量

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、成人の1日あたりの摂取推奨量は以下の通りです。

  • 成人男性(18~64歳):65g
  • 成人女性(18~64歳):50g

※日本人の「標準的な体格(参照体重)」をベースに計算した基準値です。
個人の年齢や体重、性別、身体活動量によって、具体的な摂取量は大きく変動します。
※エネルギー換算係数:1gあたり4kcal 

▶︎年齢や身体活動レベルによる差異

摂取推奨量は基本的な生命維持や軽度の日常生活を前提とした基準値であり、年齢や身体活動レベル、成長期などによって必要量は変動します。
例えば、高齢層では筋肉量の減少(サルコペニア)を抑制するための推奨摂取量が示されています。

医学的な根拠に基づくと、人体のたんぱく質を構成するアミノ酸はわずか20種類に限定されており、大きく2つのカテゴリーに分類されます。

必須アミノ酸

体内では合成できないため、食事から摂取する必要があるアミノ酸を指します。
全部で9種類存在し、全体の約45%の割合を占めます。

  • イソロイシン
  • ロイシン
  • リジン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トレオニン
  • トリプトファン
  • バリン
  • ヒスチジン

非必須アミノ酸

体内で他の栄養素を原料として、自ら合成することができるアミノ酸を指します。
全部で11種類存在し、全体の約55%の割合を占めます。

  • チロシン
  • システイン
  • アスパラギン酸
  • アスパラギン
  • セリン
  • グルタミン酸
  • グルタミン
  • プロリン
  • グリシン
  • アラニン
  • アルギニン

食事から摂取された「たんぱく質」は、そのままの形で筋肉や皮膚になるわけではありません。
体内では、遺伝子情報に基づく再合成によって、人体のたんぱく質として活用されます。

消化と吸収

たんぱく質の消化と吸収メカニズムの解説図

口から入った「たんぱく質」は、胃や小腸などの消化器官を経て、最小単位であるアミノ酸にまで細かく分解されます。

胃に到達すると、強い酸性である胃液(塩酸)の作用によって、複雑に折りたたまれていた立体構造が、一本の紐のような状態に引き伸ばされます。
その後、消化酵素「ペプシン」の働きによって、大きな分子(ポリペプチド)へと粗く分解されます。

十二指腸および小腸に送られると、膵液(すいえき)に含まれる酵素「トリプシン」や「キモトリプシン」、さらに小腸粘膜の酵素により、最終的に「アミノ酸」や「オリゴペプチド(アミノ酸が数個結合したもの)」に分解されます。
分解されたアミノ酸は、小腸粘膜の細胞にある専用の輸送体を介して吸収され、門脈という太い血管を経由して一度すべて「肝臓」へと運ばれます。

再合成

たんぱく質の再合成メカニズムの解説図

肝臓を経由して全身の細胞へと届けられたアミノ酸は、各細胞の内部で、固有のたんぱく質へと再び組み立てられます。
この再合成を制御しているのが、細胞核内にある遺伝子情報(DNA・RNA)です。

細胞の核内にあるDNAの遺伝子情報(たんぱく質の設計図)のうち、必要な部分の配列が「mRNA(メッセンジャーRNA)」へと正確にコピー(転写)されます。

コピーされた設計図(mRNA)は、細胞質にある「リボソーム」というたんぱく質合成工場へと移動します。
そこで「tRNA(トランスファーRNA)」がアミノ酸同士をペプチド結合によってつなぎ合わせていきます。
アミノ酸が設計図通りに数十個から数千個つなぎ合わされ、独自の立体構造を形成することで、初めて人間の筋肉、臓器、皮膚、髪、あるいはホルモンとして機能する「人体のたんぱく質」が完成します。

  • たんぱく質は体重の約15~20%を占める重要な生体物質である。
  • 成人の1日あたりのたんぱく質推奨量は男性65g、女性50gと定義されている。
  • 人体のたんぱく質を構成する20種のアミノ酸は、体内では合成できない「必須アミノ酸(9種)」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸(11種)」に分類される。
  • たんぱく質は胃や小腸でアミノ酸に分解・吸収されて肝臓を経由し、細胞内でDNA・RNAの遺伝子情報に基づいて固有のたんぱく質へと再合成される。

※本記事は、厚生労働省などの公的機関および、専門学会が策定した各種ガイドラインに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。

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執筆者・運営責任者

SHO|鍼灸師

豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
24歳で全国グループの鍼灸整骨院にて責任者・エリア統括を歴任し、27歳で海外へ。
現在は、13年の臨床経験と海外で培ったグローバルな知見をもとに、世界最前線の情報を精査し、Synclyeeで発信しています。

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