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夜更かしが続くと、心臓や脳に負担がかかるのでしょうか?
夜型の生活は、睡眠不足や不規則な食生活につながりやすいと言われています。
ハーバード大学医学大学院などの研究では、夜型の人は、心臓や脳の病気になった割合が高く、生活習慣も乱れやすい傾向が示されました。
この記事を読んでわかること
- 夜型の人は、心臓や脳の病気になった割合が高かった
- 夜型の人は、生活習慣も乱れやすい傾向にあった
- 夜型の生活や生活習慣の乱れが、心臓や脳の病気の原因だと証明されたものではない
本記事は、科学的知見や専門家の知見、研究データの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。
診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
用語解説
朝型(Morning Lark / ヒバリ型): 太陽と共に目覚め、午前中にエネルギーのピークが来るタイプ。
夜型(Night Owl / フクロウ型): 夜間に集中力が高まり、朝の目覚めが苦手なタイプ。
中間型(Intermediate):朝型と夜型の中間に位置し、社会生活のスケジュールに適応しやすい最も一般的なタイプ。本文では「夜型でも朝型でもない人」と表記。
心臓や血管の病気を予防するために、アメリカ心臓協会(AHA)が提唱した「8つの指標」です。それぞれ0~100点で採点し、点数が高いほど良い状態を示します。
生活習慣:食事・身体活動・喫煙・睡眠
健康指標:体重・血中脂質・血糖・血圧
公開日:2026年1月28日
掲載誌:Journal of the American Heart Association
論文:「 Chronotype, Life’s Essential 8, and Risk of Cardiovascular Disease: A Prospective Cohort Study in UK Biobank 」

著者:SHO|鍼灸師
豪華客船の専属鍼灸師として、40ヶ国160都市以上を巡り、世界中のクライアントを治療してきた経験を持つ治療家。
心臓や脳への影響を、睡眠リズムと生活習慣から解き明かす
これまでにも、夜型の睡眠リズムを持つ人は、心臓や脳の病気になりやすいことが、いくつかの研究で報告されています。
また、夜型の人は、日常の生活リズムと体内時計がズレやすく、生活習慣にも影響を及ぼしやすいと言われています。
このように、夜更かしによる心臓や脳への影響には、夜型という「睡眠リズム」と、それに伴う「生活習慣の乱れ」の両方が関係していると考えられます。
そこで研究チームは、イギリスの成人約32万人を対象に、クロノタイプ(睡眠リズムのタイプ)別の影響を13年以上にわたって追跡し、「Life’s Essential 8(生活習慣をスコア化した指標)」を用いて心臓や脳への影響を比較しました。
夜型の睡眠リズムを持つ人は、生活習慣が乱れやすい傾向があった
クロノタイプ別に、心臓や脳の病気になった人の割合を、年齢や性別などの条件をそろえて比べると、夜型の睡眠リズムを持つ人は、夜型でも朝型でもない人に比べて、リスクが16%高いという結果が示されました。
また、「Life’s Essential 8」の結果によると、夜型の人では6つの指標(喫煙・睡眠・食事・身体活動・体重・血糖値)で、低いスコアが確認されました。
つまり、夜型の人は、生活習慣も乱れやすい傾向にあることが示唆されています。
さらに、夜型の睡眠リズムに伴う「生活習慣の乱れ」は、男性よりも女性で多く確認されました。
ただし、これは関連を調べた研究であり、夜型の睡眠リズムや生活習慣の乱れが、心臓や脳の病気の原因だと証明されたわけではありません。
また、対象は主に白人の中高年であるため、誰にでも同じ結果が当てはまるとは限りません。
夜更かしを続けることが、心臓や脳に影響を与えるとは言い切れない
夜更かしを続けることで、生活習慣が乱れやすいことも、生活習慣の乱れが心臓や脳の病気に関わっていることも、一般的に広く知られています。
今回の約32万人のデータを使った長期追跡研究でも、夜型の人は、心臓や脳の病気になった割合が高く、生活習慣も乱れやすい傾向が確認されました。
つまり、夜更かしを続けることよりも、それに伴う「生活習慣の乱れ」の方が、心臓や脳への影響に関わっている可能性があります。
▼ 関連知識 ▼
海外論文の検索方法|一次情報へアクセスする4ステップ
SNSに真偽の定かでない健康情報が溢れる現代。海外の一次情報(論文)にアクセスし、その信頼性を見極める4ステップを解説します。流れてくる情報を待つのではなく、翻訳機能やデータベースの活用法を学び、自ら読み解くスキルを身につけましょう。
※本記事は、国際的な学術誌『Journal of the American Heart Association』に掲載された海外の査読済み論文および一次研究データに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。
詳しい調査方法が気になる方は、こちらもご覧ください
期間:2006〜2010年の登録時から2022年12月31日まで(追跡期間の中央値13.8年)
対象:UK Biobank参加者 / 322,777人 / 39〜74歳 / 白人約96% / 心筋梗塞・脳卒中の既往なし
参加者の内訳:朝型78,223人 / 夜型でも朝型でもない人217,857人 / 夜型26,697人
除外:クロノタイプ未回答6,172人 / 心筋梗塞・脳卒中の既往18,292人 / 生活習慣などのデータ不足154,887人(主に身体活動)
心筋梗塞・脳卒中の発症数:17,584件(心筋梗塞11,091件 / 脳卒中7,214件)
クロノタイプの分類方法:登録時の質問1問への自己申告
Life’s Essential 8の測定方法:食事・身体活動・喫煙・睡眠は質問票への自己申告 / 体重(BMI)・血中脂質・血糖(HbA1c)・血圧は測定値(クロノタイプと同じ登録時に測定)
解析方法:年齢・性別・民族・タウンゼント指数(地域の困窮度)・教育・心血管疾患の家族歴・就業状況で調整し、Cox比例ハザードモデルで比較
研究機関:Brigham and Women’s Hospital / ハーバード大学医学大学院 / ハーバード大学T.H. Chan School of Public Health / Beth Israel Deaconess Medical Center / ライデン大学医療センター(オランダ) / マンチェスター大学(英国) / 米国国立老化研究所
資金提供元:米国心臓協会(AHA) / 米国国立衛生研究所(NIH)の国立心肺血液研究所・国立老化研究所
利益相反:著者の一人(Rutter氏)が、Eli Lilly社からコンサルタント料を受け取り、GSK社の株式を少量保有していることを開示(本研究とは無関係と記載)





