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日常の健康管理において「血圧」は、最も身近な指標の一つですが、日々の体調や環境によって常に変動を続けています。
本記事は、国や公的機関(厚生労働省など)が提示する厳格なデータに基づき、「高血圧」の定義、分類、および血圧上昇のメカニズムを整理したものです。
この記事を読んでわかること
- 公的機関の基準に基づく「高血圧の定義と数値基準」
- 医学的な根拠に基づく「高血圧の分類」
- 人体の中で起こっている「血圧上昇のメカニズム」
※本記事は公的機関のデータや科学的エビデンスの紹介を目的としており、医学的アドバイスではありません。診断や治療については必ず専門医にご相談ください。
また、本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については、必ずご自身でご確認ください。
高血圧の定義
高血圧とは、「血圧が高い」という症状を指します。
一方で、日本高血圧学会や厚生労働省などの公的機関において、一時的な数値の上昇ではなく、繰り返しの測定で基準値より高く、放置すると脳卒中や心臓病などの合併症を引き起こすリスクがある状態が「高血圧症」と定義されています。
高血圧の基準値
血圧には、心臓から血液を全身に送り出すときの最も高い圧力「最高血圧(収縮期血圧)」と、全身から戻ってきた血液を心臓にため込んでいるときの最も低い圧力「最低血圧(拡張期血圧)」があります。
また、高血圧の基準値には、医療機関で測定される「診察室血圧」と、自宅などのリラックスした状態で測定される「家庭血圧」の2つがあり、それぞれ以下のように具体的な数値が定められています。
最高血圧(収縮期血圧):140mmHg以上、または最低血圧(拡張期血圧):90mmHg以上
最高血圧(収縮期血圧):135mmHg以上、または最低血圧(拡張期血圧):85mmHg以上
高血圧の測定環境
測定する環境によって基準値が異なるため、診察室と自宅の数値が一致しない現象が起こることがあります。
公的ガイドラインでは、それぞれの現象について以下のように定義されています。
家庭では血圧が正常値であるにもかかわらず、医療機関での診察時に緊張や心理的ストレスなどによって血圧が上昇し、「診察室血圧」の基準を超えてしまう現象を指します。
医療機関での診察時や健康診断では正常値を示す一方で、自宅や日常生活において、血圧が「家庭血圧」の基準を超えている状態を指します。
高血圧の分類
医学的な根拠に基づくと、高血圧はその原因によって大きく2つの分類に分けることができます。
本態性高血圧症
明確な原因や疾患を特定できないものを指します。
これは、遺伝的な要因や生活習慣などの環境要因が複合的に絡み合って発生するものであり、日本国内における高血圧患者全体の約90%を占めています。
公的なガイドラインでは、主な環境要因として以下のような生活習慣が指摘されています。
- 塩分の過剰摂取
- 肥満
- 過剰飲酒
- 精神的ストレス
- 自律神経の調節異常
- 運動不足
- 野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
- 喫煙
二次性高血圧症
特定の疾患や器官の異常が原因となって血圧が上昇するものを指します。
これは腎臓疾患やホルモン分泌の異常などが原因で発生するものであり、全体の中での割合は約10%にとどまります。
高血圧の発症メカニズム
私たちの血圧が上がったり下がったりするメカニズムには、心臓や血管、そして腎臓といった器官が24時間体制で連動する「体内システム」が関係しています。

原則として、血圧の高さは「心臓が一分間に送り出す血液の量(心拍出量)」と、「血管の通りにくさ(末梢血管抵抗)」の掛け合わせによって決まります。
これは、水道をイメージしてもらうと、「ポンプの力強さ」と「ホースの細さ」の関係に似ています。
このバランスが変化するきっかけの一つに、腎臓やホルモンの働きがあります。

腎臓が「血流が落ちてきた」と感知すると、体内でレニンという酵素が分泌されます。
これを起点として、体に血圧を上げろと命じる「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)」というホルモン連鎖が一斉に活性化します。

このシステムが働くと、主に次の2つの変化が同時に起こり、血圧を静かに上昇させます。
- 血管が収縮する(通り道が狭くなり、抵抗が高まる)
- 腎臓がナトリウム(塩分)と水を体にため込む(血液そのものの量が増える)
つまり、この「通り道が狭くなる現象」と「流れる量が増える現象」が組み合わさることが、血圧上昇のメカニズムです。
高血圧の指標
厚生労働省が提示する「健康日本21(第三次)」などの公的指針では、脳血管疾患や心疾患といった致命的な合併症のリスクを社会全体で抑制するため、血圧の管理目標値を以下のように定めています。
診察室血圧:130/80 mmHg 未満
家庭血圧:125/75 mmHg 未満
診察室血圧:140/90 mmHg 未満
家庭血圧:135/85 mmHg 未満
また、日本国内における高血圧の人口は、約4300万人と推計されています。
総括
- 高血圧の公的診断基準は、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上と定義されている。
- 原因の特定が困難な「本態性高血圧」が全体の約9割を占め、特定の要因があるものは「二次性高血圧」に分類される。
- 血圧上昇の主なメカニズムは、「心拍出量の増大」と「末梢血管抵抗の亢進」によるものである。
- 厚生労働省が定める成人の血圧管理目標値は、診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満と設定されている。
※本記事は、厚生労働省などの公的機関および、専門学会が策定した各種診療ガイドラインに基づき、科学的エビデンスを確認した上で執筆されています。


